在職中の転職希望者に仕掛ける偽の事情
質問の理由 : 実は別に急いでない
在職中の会社に迷惑かけないように引継ぎをしてから辞めるのか、他人の事など知ったこっちゃないタイプか見極めたいだけです。ですので、Aさんみたいな事を言ったらOUTです。
良い回答例
- すみません、引継ぎなどがありますので最短で2か月後からになります。
悪い回答例
- すぐにでも働けます!
履歴書にある住所を説明してください
質問の理由 : 別に場所を正確に知りたいわけではない
物事を分かりやすく説明する力を見ます。基本的にパート希望者はご近所さんが多く、ほとんど知ってる場所が多いのですが、 それでも知らないふりして聞きます。誰に対してもワンパターンで出来る質問なので使い勝手が良いのです。
良い回答例
- 会社を出て、ネコスター通りを東に300メートル程進んだところに定食にゃんば亭があります。その三件となりです。
悪い回答例
- にゃんば亭知ってますか?え?知らないんですか!?じゃあ、モフバーガーは?え?じゃあ・・・んー・・・
履歴書に書かれている志望動機を確認する
質問の理由 : 別にご大層な動機を聞きたいわけではない
応募者が本当に望む事が、自社で実現可能なものかを知りたいのです。実現できない場合、早期に辞めてしまう可能性が上がりますから。
例えば、うちの会社の場合ですが職種に対して強い憧れを持つ方は満足を得られない可能性が高いので敬遠します。なので、マニュアルにあるような「幼年期よりウドン作りに関心があり云々」という動機は裏目に出ます。
逆に子供が小さい人でも働きやすいなど自社の強みとしている点を動機とされてる方は採用しやすいです。
ちなみに何の自慢にもなりませんが、うちの会社で長く務めてくださっているパートさん達の志望動機は「近いから」です。結局は、失礼にならない程度に率直な内容が一番と思います。
良い回答例
- 家から近く、育児をしながら働ける待遇に魅力を感じました
悪い回答例
- 昨年亡くした父はウドンが大好きでした。その父にどうしても私のウドンを届けたいという気持ちが日増しに強くなり、そんな時に御社の求人広告を拝見しー
職歴に空白期間が多い方に仕掛けるトラップな質問
↑ 「こんなにブランクあって大丈夫?」な感じで否定的に聞くと、隠された職歴が出現してくる時があります。
退職&転職理由を聞く
質問の理由 : 別に本当の理由が知りたいわけではない
転職&退職理由が、ホントか嘘かなんて調査会社にでも頼まなければ分かりません。なので転職&退職は理由問わず減点であり、よほどスジが通ったものでない限り、面接での応答によって判断を変える事は滅多にしません。
ここで私が知りたいのは、どういう退職理由を「正当と考えているか」という認識です。よくある悪い例は、務めていた会社や他人を非難して正当化するパターンです。
Aさんのように同僚とのちょっとしたトラブルで退職する方は、たぶん未来永劫、転職を繰り返します。そして、それを面接官に平然と喋るという事は、自分に非が全くないと思っているからであり、そこが問題なのです。
パートの面接とは、このような人を落とすのが主な仕事と言えるかもしれません。
しかし、会社や他人原因の退職も下記のように「いくらなんでも」な転職理由はOKです。(ただし、度重なるとリアリティーないですし、嘘を言えば名誉棄損です)
良い回答例
- 上司が毎日毎日、お尻に触ってくる。色々な人に相談するも解決せず。
- 上司が完全にチンピラ。暴言はもちろん、暴力も有り。
- 残業が異常に多く、会社側に改善の動きもない
- 結婚退職、会社が倒産
悪い回答例
- 会社や他人の悪口で正当化する。またそれを克服する努力もしてない
- 祖父の介護で云々など嘘臭くて長いストーリー展開←正社員の求人でもちょくちょく見ます
- 中身がなくてすぐバレるキャリアアップ云々な綺麗ごと
職歴を見ながら業務内容、責任を持ってた範囲などを掘り下げる
質問の理由 : 別に何をしていたかに興味はない
私が思う最重要の質問です。専門職の場合は「どんな仕事をしていて何が出来るのか」が重要になりますが、そうでない場合、細かい仕事内容に興味はありません。それよりも以下の点から、その人の職業観などを探ります。
また、この過程で経歴を誇張してたり水増ししてたりする方も、それなりに洗い出せます。
- 自分の行っていた業務の役割を理解出来ているか?
- 責任ある仕事を任されていたか?
- 与えられた業務以外も進んでするタイプか?
正直、1については多くを期待してませんが、2と3は凄く重要視しています。意欲がある人、責任感がある人、会社の利益を考えて行動する人であれば、それに見合った理解と行動、周囲の評価がありますから。
良い回答例
- インターネットからお申込みのお客様を担当していました。実店舗での販売と異なりネットからのお客様は不安感を持ちつつ問い合わせされてこられる場合が多いので、いかにそれを取り除くかを最優先課題と考え、声の高さ一つにも工夫を重ねていました。人が最も心地よく感じる声の高さは「ソ」の音だそうです。私はー
- パートさんのシフトの管理をしていました
- 営業事務での入社でしたが、納期が迫った時には現場にいって職人さん達の手伝いをしていました
悪い回答例
- まあ、色々です
- いえ、普通の仕事をやってました
- 事務職で入社したので、それ以外はちょっと・・・
架空のエピソードで前職での本音を誘う
などと、Aさんのように素直に答えてはいけません。
と、Bさんのように答えるのがプロです。
私は使わないけど、世間ではよくあるらしい質問
貴方の長所短所は?
最近は見ませんが昔の履歴書には書く欄があった気がします。この質問も、事実ではなく答える側の内面を探る意図ですが、定番化しすぎて答える側も模範回答を用意している場合が多いです。
なので、面接側も自分で考えなければ答えられないオリジナルなものに変えるべきです。(毎年同じ試験問題を出す学校はどうかという話です)
私はこういう事をスラスラっと言える人って「面接慣れしてるなー」ぐらいしか思わないですが、質問をするという事はマニュアル通りの回答を期待している可能性が高いと思いますので模範回答をしておきましょう。
良い回答例
- 自分のキャラクターから違和感を感じない範囲で
- 長所は「会社の利益になりそう」な要素を答えましょう(協調性、前向き、根気があるなど)
- 短所は「欠点といいつつ美点とも言えそう」な要素を答え、改善策も添えておきましょう(一つの事に集中しすぎて他が見えなくなる時がありますが、時間管理と優先順位をつける癖づけを行う事で克服出来ていると思いますなど)
悪い回答例
以上、私がやっているパート面接での質問集でした。