雇用側が中卒を落とす理由
高学歴は、雇用側にとって離職率が低い統計的に安全な選択肢
学歴と定着率の関係は七五三に例えられる事があります。大卒7割、高卒5割、中卒3割というわけです。下図は新卒の場合であり、これが中途採用者になると退職率は一気に跳ね上がります。
新卒で入社した方の退職率
※ この世間に発表されているデータは、中卒は ほぼ続きませんと言ってるに等しい。
学歴フィルターを何故 用いるのか
面接官とて人を見る目に絶対の自信を持っているわけではありません。百発百中で採用した方の全てが定着しているなんて人は存在しないでしょう。
自分が「この人は良い!」と見込んで採用した人間が早期退職したり、仕事が出来ずに会社の不利益となったりという結果を日々知ることになる職業であり、むしろ、自分自身の洞察力の限界を良く知っていると言えます。(悪い結果になると現場の責任とか言い出す人もいますが・・・)
ですので、多くの採用担当は統計というものに頼ります。自分に人を見る目がなくとも、学歴が高い者を採用する事で定着率をあげる事が出来るからです。
採用活動の効率化にも使用されます
面接に割ける時間は有限です。人気の求人となりますと応募者の数が尋常ではないので、まず何かしらで数を絞る必要が出てきます。そこでよく使われるフィルターも学歴です。私の知る例えでは、某出版社の某編集部。東大と慶応しかいません。慶応が低学歴扱いという嫌な感じの雰囲気が若干ありました・・・
学力が問題ではなく、高校進学しなかった理由に問題がある
けっこう多くの方が勘違いされていますが、世の中にある多くの業務は高校程度の学力などなくても出来ます。私が今やってる業務も はっきり言って必要ないです。
進学しなかった理由に会社に対して不利益をもたらしそうな要素がありそうだから敬遠されるのです。先述したとおり、自分自身の判断に絶対的信用を持つものでない限り、不要なリスクは取りません。
単なる偏見や選民思想
↑ 以前にいた職場はエリート揃いだった事もあり、こーいう露骨に感じ悪い人は大勢いました。
一時期ほど学歴偏重社会ではなくなったとはいえ、学歴を一番の誇りにして生きている人は珍しくありません。こういう方達の場合は合理的目的ではなく、そもそも低学歴を人間扱いしませんので関わるだけ時間の無駄です。
正社員だから学歴が重要、パートタイマーだから不要という認識は間違い
パートでも正社員でも優秀な人を入社させるのが採用担当の仕事
労働時間が短い事などからパートは正社員に比べ責任が少なく簡単な仕事を割り当てられるケースが多いというだけであり、フツーに社員と対等の仕事をされている方も大勢おられます。この場合、採用基準は正社員と同じです。
不採用率が上がるのは、雇用形態ではなく、その求人の応募者数です。人気のある求人は、社員だろうがパートだろうが色々なフィルターで不採用になりますし、応募者数の少ない求人は「最低限の良識があればいいや」となりやすいです。
どんな簡単な仕事であれ、補佐的な仕事であれ、会社は少しでも能力が高くて定着しやすい人材を採用します。
じゃあ、中卒は どーすればいいの!?
うちの会社は、どの業種の求人でも「高卒以上」と明記しており中卒採用に積極的ではありません。そんな所で人事をしている私がイレギュラーで採用してしまったBさんの例を紹介します。
スーツ姿で第一印象も良かったBさん。バンド活動も彼氏や友達につられてではなく、かなり本気でやっていた様子。職歴もアルバイトのみではあるが、一つの職場に長く務め責任感を持って仕事をしていた事が話の端々で伝わってくる。ここまで揃うと中卒だからという不安要素がなくなりました。
Bさん採用のポイント
1.身だしなみと礼儀作法が素晴らしかった
高学歴な方とは対照的に、イレギュラーな人生を歩んでこられた中卒者の方に対しては、そのイレギュラーの方向性が気になるところです。
女性の足を引っ張るのは女性と言いますが、中卒の足を引っ張るのも他の中卒かもしれません。もう、ほんとにビックリな人にお目にかかります。話してみると頭はいいし意欲もあるし、でも、定着は怪しいし、そもそも組織に溶け込めそうもないから採用できない場合も多いです。
パートの面接はスーツ着用でなくともOKと思いますが、非常識のレッテルを貼られがちな中卒者の場合は、あえてスーツを着て、髪型やアクセサリーなどもキッチリした印象に仕上げて挑まれる事をお勧めします。
2.進学しなかった理由にネガティブなものを感じなかった
学校生活に適応できなかった、引きこもっていた、勉強が嫌だった、友達と遊び歩いてただけ、問題を起して進学できなかったなどではなく、前向きな理由(というよりは会社組織に入っても問題なさそうな理由)であった事。そして、それを伝える事が出来た事が大きいと思います。
これは中卒者に限った話ではないかもしれませんが、特に不信感を抱かれやすい経歴の場合は、きっちり説明しきる事が大事ですし、理由が見えない場合は採用できません。
3.転職歴が少なく、職場の責任者となって長期間働いていた
中途採用の場合、学歴よりも職歴の重要性が上がります。新卒者は可能性で判断せざるを得ませんが、中途採用の場合は良かれ悪しかれ「就職した会社でどういう働きをしたか」という分かりやすい結果が出ているわけですから。
- 【転職歴の多い少ない】不満や辛い事を我慢できる人か?
- 【どんな仕事を任されていたか】【何を考え行動し、どんな結果を出したか】能力、責任感など色々な資質を示す
- 【どんな職種についていたか】その人の趣向、生き方が見れる。アミューズメントパークなど華やかな職場ばかりの人は要警戒と書いた本もある。
逆に駄目な例
別にバンド活動ならOK,ラーメンはダメというわけではないです。話を聞くと特にラーメンに情熱があるわけではなくラーメン屋の彼氏と一緒にいたかったという動機でした。
求人条件で高校卒業以上と書かれていて面接すらしてもらえないんですけど?
シレっと申し込んでください。私を含めグイグイ押してくる人が好きなタイプもいます。(常識を越えてはダメです)
中卒の就職対策まとめ
現実問題、中卒は相当なハンデです。しかし、採用側が採用しづらい理由を把握し、Bさんのように手を打てば仕事選びの幅は広がると思います。